虫の採り方と送り方

虫の名前は、お電話や写真だけでははっきりしないことが多く、お送りいただいた虫のサンプルを元に調べるのが確実です。
サンプルが壊れていると、回答の精度が下がることがあります。
きれいなサンプルが多くそろっていれば、それだけ正しい結果が得られます。
傷つけにくいサンプルの集め方・送り方は次のとおりです。


虫の採取法

セロテープに貼り取って送る方法は、集めやすい反面虫が潰れやすく、からだの表面の詳しい構造も見られません。
サンプルとしては不向きです。
正確な名前を知る必要がある場合は、次の方法をお奨めします。
ティッシュペーパーlなどで柔らかくくるみ取り、そのまま動けないようにし、ビニール袋に入れて閉じる。きちんと閉めないと虫が外に出る恐れがあります。
1o前後の小さい虫はこの方法のほか、筆の先でそっとすくい取るかティッシュペーパーの上に払い落としてくるみ、ビニール袋に入れ口を縛ります。チャック口の小さなビニール袋が便利です。
ダニなどのさらに小さい虫の場合は、掃除機でゴミごと吸い取ります。
掃除機は一旦柄ののつなぎ目の部分をはずし、ガーゼ2枚分ほどの荒さの布を広げて筒の口を被ったまま元どおりに差し込み、ガーゼでゴミを濾し取ります。ガーゼが吸い込まれないように少し広めにしてしっかりとつなぎます。
ゴミの量は厚さ2、3o以上必要です。ガーゼごとビニール袋に入れて口を閉じます。
幼虫などの腐りやすい虫は、70%消毒用アルコール入り容器(割れにくいもの)に入れます。

虫を送る時のご注意

封筒入りの郵便物はローラーを通るため、標本はほぼ全て押しつぶされます。フィルムケースの蓋も通常取れた状態で届きます。
輸送時、中の虫が封筒に穴をあけて逃げることもあります。
これを避けるため、サンプル入りのビニール袋やアルコール入り容器は、必ずプラスチック箱やフィルムケースなど硬めの容器に入れ、セロテープでしっかり蓋を押さえてお送りください。
掃除機のゴミ入りビニール袋は、中の空気をへらしそのまま封筒でお送りいただいても問題ありません。