シロアリ
の種類と 見分け方 |
![]() |
建物を加害する白蟻は九州以北では、ヤマトシロアリ、イエシロアリ、アメリカカンザイシロ アリの3種類です。
この3種類は、羽アリや兵アリの形などで識別します。
「羽アリを動画で見る」は>ムービー / 「被害の違い」は>シロアリの被害 / シロアリ以外の すまいの「木の害虫」は>木の害虫
その他の「すまいの害虫」は>すまいの害虫 / 羽アリ・かゆい虫など・季節の害虫 / 動画は TOPページ でも見られます。
羽アリの色、群飛(ぐんぴ)が見られる時季・時刻、それに生息 する地域の違いなどが、識別のポイントです。
群飛(多数の羽アリが巣からいっせいに飛び立つ現象。)
ヤマトシロアリ | ヤマトシロアリとイエシロアリの違い | イエシロアリ | アメリカカンザイシロアリ | |
![]() 羽アリ動画 |
![]() |
![]() (上は羽を落としたもの) 羽アリ動画 |
![]() (羽を落としたもの) 羽アリ動画 |
|
体の色 | 背中の一部と足先は黄色、ほかはすべて黒色。 | 小さく黒いほうがヤマトシロアリ 大きく茶色いほうがイエシロアリ |
茶褐色。 | 頭と背中の一部は赤褐色、その他は黒色。 |
群飛 | 4〜6月、特にゴールデンウィーク頃、穏やかな天気で気温が上がった日。 昼間、数〜数千匹の羽アリがいっせ いに現れます。 |
このように同時に見られるのは飼育の条件を調整しているためで、本来両種は出現時期・時刻が違うため野外では出会うことがありません。 | 6・7月、天気がよく急に暑くなった日。 夜、数〜数万匹の羽アリが明かりに集まります。 |
6〜10月ごろの気温が急に上がった日。 昼間、数十匹の羽アリが、何日かに分かれて現れます。 |
分布 | 北海道(道西)、本州、四国、九州。 | 本州(千葉以西山口県にかけての海岸沿い)、四国、九州。 | 千葉、東京、神奈川、大阪、兵庫、和歌山、広島、鹿児島ほか。 |
アリの羽アリも、よく夜の明かりに飛んできます。
その時期がイエシロアリと重なるものがあるので、体や羽の形で区別すること が必要です。
アリ科の羽アリ | ヤマトシロアリの羽アリ | イエシロアリの羽アリ | |||
![]() 羽アリ動画 |
![]() 羽アリ群飛動画 |
![]() 羽アリ群飛動画 |
|||
胴体 :強くくびれる。 羽 :前羽が大きく後羽は小さい。 触角:長短の棒状の節が連なり、 「く」の字に折れ曲がるものが多いが、 折れ曲がらない(短柄節)ものもある。 |
胴体 :ズンドウ・棒状。 羽 :前・後羽は同形同大。 触角:粒状の節が連なり、 折れ曲がらない。 |
胴体 :ズンドウ・棒状。 羽 :前・後羽は同形同大。 触角:粒状の節が連なり、 折れ曲がらない。 |
|||
![]() |
![]() |
![]() |
|||
歩行・静止時 :羽を重ねあるいは立てる。 | 歩行・静止時 :羽を背上に重ねる。 | 歩行・静止時 :羽を背上に重ねる。 |
兵アリは頭の形がポイントです。
ヤマトシロアリ | イエシロアリ | アメリカカンザイシロアリ | 兵蟻4種 | ||||
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
||||
頭の形 | 上から見て長方形 | 頭の形 | 上から見て卵形 | 頭の形 | 上から見て四角形 | ネバダオオシロアリ | アメリカカンザイシロアリ |
触角 | 付根の一節が特に太い | イエシロアリ | ヤマトシロアリ |
働きアリで名前を調べるのは難しく、羽アリか兵アリで確認します。
【日 本のシロアリ】
日本で建物に被害をあたえるシロアリは次の3種類です。そのほか建物とは無関係に、 森の中に住んでいるものや沖縄以南に偏在しているものが14種、合計17種類のシロアリが日本に生息しています。 また、世界中では現在約2500種類見つかっています。 シロアリはもともと暑い地方の昆虫で、熱帯・亜熱帯地方に集中して住んでおり、日本は北限の辺境地に位置しています。 |
九州以北で建築を加害する3種類のシロアリ
ヤマトシロアリ | 寒冷地を除き、ほぼ日本中にいる普通種。 被害の多くはこのシロアリによる。 土の中・湿った木材の中など、多湿な場所を好み、被害は床下に多い。 巣内の個体数は2〜3万匹。 |
イエシロアリ | 本州千葉以西の太平洋から瀬戸内海にかけての沿岸地域、四国、九州、沖縄に分布
する。 被害は建物全体におよび、極めて激しい被害を出す危険種。 地中などに巨大な巣−メガロポリス−を造る。 巣内の個体数は百万匹に達する。 |
アメリカカンザイシロアリ | アメリカ産の侵入種。これまでに、千葉、東京、神奈川、大阪、兵 庫、和歌山、広島、鹿児島ほかの各都府県の一部で発見され、今後も新たな発見が予想されている要注意種。 土の中には住まず、乾いた木材を加害し、被害は建物全体におよぶ。 巣内の個体数は2千〜3千匹と少ないが、体長はヤマトシロアリの2倍ほどあり激しい被害が出る。 |
日本産シロアリ17種
種 名 | 分 布 | |
H | オオシロアリ | 高知・鹿児島・奄美 |
K | カタンシロアリ | 静岡以西の南岸沿い |
K | ナカジマシロアリ | 小笠原・淡路から鹿児島にかけての南岸沿い |
K | コダマシロアリ | 宮崎・鹿児島 |
K | サツマシロアリ | 高知・宮崎・鹿児島 |
K | クシモトシロアリ | 串本 |
K | ダイコクシロアリ | 小笠原・奄美以南 |
K | コウシュンシロアリ | 沖縄以南 |
K | アメリカカンザイシロアリ | 千葉・東京・神奈川・大阪・兵庫・和歌山・ 広島・鹿児島ほかの各都府県内に局所的に棲息 |
R | ヤマトシロアリ | 北海道・本州・四国・九州・小笠原・沖縄以南 |
R | キアシシロアリ | 奄美・与論 |
R | アマミシロアリ | 奄美・徳之島 |
R | イエシロアリ | 小笠原・千葉以西の南岸沿い |
T | ニトベシロアリ | 八重山 |
T | ムシャシロアリ | 八重山 |
T | タイワンシロアリ | 沖縄以南 |
T | タカサゴシロアリ | 八重山 |
H:オオシロアリ科 K:レイビシロアリ科 R:ミ ゾガシラシロアリ科 T:シロアリ科